京都新聞 2005年03月31日(木曜日)朝刊より、

西京の善峯寺 明日から公開 
 桂昌院ゆかりの小袖再現
京都造形芸大の卒業生、画像ソフトで

調査結果を報告する京都造形芸術大卒業生の室さん(右端)
と桂昌院ゆかりの打敷(京都市西京区・善峯寺)
京都造形芸術大(京都市左京区)の卒業生がこのほど、西京区善峯寺所蔵で、江戸時代の五代将軍徳川綱吉の母桂昌院が寄進した打敷に関する卒業論文を同寺に寄贈した。

パソコンを駆使して打敷から元の姿の小袖を再現した。現存の「元禄小袖」と比較したところ、元禄小袖とは似ているものの、元禄以前に作られた小袖であることが初めて確認できたという。打敷は1日からの寺宝展で公開される。

 同寺所蔵の「萌黄地楕文章絞染縫打敷」は、1683(天和三)年に五歳で早世した綱吉の嫡男・徳松の小抽を約1.3b四方の敷物に仕立て直していると伝わる。
緑色の生地にツバキや葵の絞がある打敷は、仏具などの敷物として明治以前まで使われていたという。

 調査したのは、同芸術大を今月卒業した室真理子さん(22)=左京区=。染織に詳しい栗本徳子助教授(48)の指導の下、打敷に残る縫い目を基に、画像処理ソフトで小袖の形状を再現した。
裏地に記された墨書と、同寺に伝わる「善峯寺日記」から1865(貞享二)年ごろの寄進と確認した。
 栗本助教授によると、再現された小柚は、袖幅と胴体部分の幅の比率や全体の柄に、江戸前期とは違う特徴が見られた。
元禄時代の1700年ごろに生まれた元禄小袖のデザインに近いといい、「小袖が作られた時期は、江戸前期から中期という小袖のデザインが変わる過渡期で資料が乏しかった。時代を先取心したデザインが徳川家に愛用され、その後広がったのでは」と分析する。
打敷は、4月から始まる同寺の春の特別寺宝展で、再現した小袖の画像とともに公開される。入山料大人五百円(高校生四百円)。五月末まで。

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