36号より  三 つ の呪文
                                 掃部光昭


 新年を迎えて、みなさんはお寺や神社にお参り に行かれたことと思います。
お寺は仏教・神社は 神道、二つの宗教をちゃんと受け入れている民族 は、大変珍しいそうです。  

 私たち日本人はこのことを涼にして、日常生活 を健康で安らかに送ることができるようにと、三 っの呪文を唱えてきたのです。
それは、「ばちが ぁたる」 「もったいない」 「ありがたい」の言葉 です。
「ばちがあたる」というのは、目に見えな い力に対して畏れの念を持つ謙虚な心で道教の流 れをくむ日本の神道の教えです。「ありがたい」 は、まさに仏教そのものです。
「ばちがあたる」 「もったいない」 「ありがたい」、この三つの言 葉は、私たち日本人の祖先が守りつづけて、語り 継いで私たちに残したすばらしい呪文だと思いま す。よく「私は無宗教です」という人も日常で使っ ています。
説明しなくても、子供達にだってちゃ んとわかります。
これほどわかりやすく、それぞ れの宗教の教えをズバリといっているのですから、 私たちはもっと活用しなくてはいけないと思います。
むずかしい理屈はいりません。
日々の生活の なかで素直な心で「ばちがあたる」 「もったいな い」 「ありがたい」と呪文のように唱えることに ょって、身も心も、そして暮らしにも調和が取れ てくること間違いありません。
この三つの呪文で 平成九年すこやかにお過ごしください。

 追文  善峯寺では、家族みんなが仏恩によって生活さ せていただいております。せめて食事を戴く前のことば(食前観)、食事の後のことば(食後観) を称えることに致しております。

 子供達も、幼い頃は、少し面倒な顔をしたこと も有りましたが日がたつにつれて習慣になり、今 日では、あたり前の様にみんなで大きな声で、称 えて居ます。
これが三つの呪文の根本に成ってい る一つの様に思います。

「食前観」
吾今季いに仏祖の加護と衆生の恩恵に依って、 この清き食を受く、謹んで食の来由を尋ねて味 の濃淡を問わず、その功徳を念じて品の多少を 選らばじ。
「いただきます」

「食後観」
吾今この清き食を終わりて心豊かに力、身に充 つ、願わくはこの心身を捧げて己が業(わざ)にいそし み、誓って四恩に報い奉らん。
「ごちそうさま」

是非みなさま食前、食後のことばをお称え下さ い。
必ず良い仏縁が有ると確信いたします。

四 恩とは、

第一に、天地自然の恵み、
第二に、先祖 の恩、
第三、両親の恩、
第四に、仏の恩です。